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【八代妙見祭】九州三大祭の一つ 日程・スケジュールと祭の見どころ〜2024年〜

『八代妙見祭」とは

「八代妙見祭」は八代神社の祭礼に行われる行事で、北極星と北斗七星を神格化した妙見神に対する信仰に基づいて行われます。神様を乗せた神輿が行列をなして地域をめぐる神幸行列が毎年11月22日(お下り)と11月23日(お上り)に開催されます。

その歴史は古く、16世紀頃には神輿の巡行が行われていたとされ、江戸時代になると、町人たちが趣向を凝らし、獅子や笠鉾、亀蛇(キダ)など贅を尽くした出し物を奉納するようになったといわれています。19世紀初頭には、その盛大な祭りの様子が祭礼絵巻に描かれています。

「お下り」は、22日午後、神馬を先頭にした神輿の行列が八代神社を出発、御旅所である塩屋八幡宮までの約6㎞の道のりを、市街地を東西に縦断するかたちで練り歩きます。翌23日の「お上り」は、早朝に塩屋八幡宮を行列が出発し、市内を練り歩きながら八代神社に向かいます。

「お上り」は多彩な出し物が連なる1.5㎞以上に及ぶとても長い行列になります。

八代神社は、文治2年(1186)に八代市内の現在地に建てられ、八代郡の惣鎮守として崇敬を集めてきました。祭の起源ははっきりしないですが、中世に神輿の神幸などの祭礼行事が行われていたとの記録が残されています。寛永9年(1632)に隠居した細川忠興(三斎)が八代城に入城、妙見宮は細川家の守護社となり、現在の神幸行列の原型を作り上げられました。忠興以後も八代城主となった松井氏が妙見宮と祭礼の運営を継承し、祭も盛んになっていきました。九州三大祭りの一つ

福岡市の筥崎宮の「筥崎宮放生会」、長崎市の「長崎くんち」とともに「九州三大祭」の一つ。「国指定重要無形民俗文化財」、「ユネスコ無形文化遺産」にも登録されている由緒あるお祭りです。

「八代妙見祭」のスケジュール

11月22日(金) 宵祭

14:00   八代神社 お下り行列出発
お下りの神幸行列は、神馬、神輿などで構成され、すべての出し物が供奉するわけではありません。
16:30   本町アーケード通過
17:00    塩屋八幡宮 お下り行列到着
17:30〜20:30 御夜
お祭り前日に本町アーケード一帯で開催する前夜祭。
笠鉾や亀蛇、獅子などの出し物の展示のほか、ステージでは伝統芸能などを披露したり、食ブースや体験コーナーなど
様々な企画でおもてなしを行い、お祭りに向けた盛り上がりを楽しめます。

11月23日(土) 本祭

7:30               塩屋八幡宮 お上り行列出発(順次)
8:00~9:30    本町アーケード通過
8:30~10:30   やつしろハーモニーホール・出町公園 【出し物紹介・演舞】
9:00~11:30   八代駅前 【出し物紹介・演舞】
10:30              八代神社 お上り行列到着(順次)
11:00~13:00 宮地小学校グラウンドに笠鉾、亀蛇、木馬、籠を展示
12:30~17:00 砥崎河原 【出し物紹介・演舞】
<各出し物の時刻>
12:30 獅子/ 13:10 花奴/13:20 木馬/ 13:25 鉄砲・毛槍/ 13:30 白和幣、籠/ 13:35 笠鉾菊慈童/
13:45 神馬/ 13:55 神馬奉行、神輿など/ 14:05 笠鉾8基/ 14:15 流鏑馬/ 14:20 亀蛇/ 14:30 飾馬9団体/
※終了後、順次帰路へ
14:30〜15:30 妙見中宮で神事(獅子、神馬、神輿)
19:30~20:30 本町札の辻で獅子舞

神幸行列の順番と出し物

行列は八代妙見祭の一番の見どころです。御神体を乗せた神輿を先頭に、飾馬、武者、楽隊、巫女(みこ)、稚児(ちご)など、さまざまな役割を担う人々が続きます。全体で数百名にも及ぶ大規模な行列となり、見る者に壮大な印象を与えます。

神幸行列の順序

獅子→花奴→木馬→鉄砲→毛槍→白和幣→籠→笠鉾 菊慈童→神馬→神馬奉行→甲冑武者→大麻→大太鼓→阿須波神→火王・水王・風王→奏楽大太鼓→奏楽→四神旗→紙幣→弓矢→対の槍→御太刀→神輿→長刀→紫翳→菅翳→立傘→斎主→笠鉾 本蝶蕪→笠鉾 蘇鉄→笠鉾 西王母→笠鉾 猩々→笠鉾 蜜柑→笠鉾 恵比須→笠鉾 松→笠鉾 迦陵頻伽→流鏑馬→亀蛇→飾馬(花馬)

神幸行列の主な出し物① 獅子

中国風の衣装や楽器を用いるのが特徴です。角が2本で胴が赤白の雄獅子と角が1本で胴が赤黄の雌獅子で1対となり、1匹の獅子に2人が入り、頭と前足、尻尾と後足をそれぞれ受け持ちます。そして玉振り役の子どもとともに、チャルメラやラッパ、ドラ、鉦、太鼓にあわせて表情豊かに演じます。

神幸行列の主な出し物② 神輿

神輿の内外には金箔が張られ壁面にはめでたい花鳥風月の紋様が所狭しと描かれています。天井には龍の絵を配するなど豪華絢爛です。

神幸行列の主な出し物③ 笠鉾

笠鉾は、宮之町の笠鉾菊慈童、本町の笠鉾本蝶蕪、二之町の笠鉾蘇鉄、新町の笠鉾西王母、紺屋町の笠鉾猩々、中島町の笠鉾蜜柑、徳淵町の笠鉾恵比須、平河原町の笠鉾松、塩屋町の笠鉾迦陵頻伽の9基があります。

毎年、祭りのたびに組み立て、解体をしています。部材の数は200〜300個あり、釘を1本も使わすに組み立てます。大きな笠の上に人形や造花、鉾やなぎなたなどを飾りつけています。

神幸行列の主な出し物④  亀蛇

亀と蛇が合体した想像上の動物。約1300年前、妙見神が中国から海を渡ってくるときに乗ってきたといわれています。担ぎ手が5人1組で入り、そのうち1人が首を操ります。

神幸行列の主な出し物⑤  飾馬

華やかに装飾された飾馬が、行列の中で一際目を引きます。馬には絢爛な衣装が施され、その美しさが際立ちます。

飾馬は江戸時代には八代城内から12頭が毎年出されていましたが、明治以降はそれぞれの町内からの奉納となり、近年では高校の同窓会や地区の団体等からの奉納となっています。飾馬の順番は、当日朝6時に抽選で決めます。

「八代妙見祭」は地域住民の連帯感が強く表れる伝統行事です。市民が一丸となって祭りを作り上げる様子は、地域の文化や伝統がしっかりと受け継がれていることを感じさせます。