多賀城は2024年が創建1300年。現在、整備が進められていて、様々なイベントも開催されています。東北の古代史を物語る重要な遺跡である多賀城跡の見どころと、この秋開催されているイベント情報を紹介します。
多賀城とは?
多賀城は神亀元年(724年)に大野東人によって創建され、11世紀中頃まで約300年以上にわたり、古代東北地方の政治・文化・軍事の中心地として機能しました。
奈良・平安時代には陸奥国の国府が置かれ、奈良時代には鎮守府も併せて設置されました。これは多賀城が行政と軍事の両面で重要な役割を担っていたことを示しています。
多賀城跡は複数の時期(第1期〜第4期)にわたって建て替えられていて、次のような変遷を経ています。
第I期: 養老・神亀頃(717〜728年)〜8世紀中頃
神亀元年(724年)に大野東人によって創建
天平宝字6年(762年)に藤原朝獦による大規模な修造
第II期: 8世紀中頃〜宝亀11年(780年)
宝亀11年(780年)に伊治公呰麻呂事件による火災で焼失
第III期: 宝亀11年(780年)〜貞観11年(869年)
火災後に再建
貞観11年(869年)の陸奥国大地震による被災
発掘調査により、政庁跡では複数の建物遺構が重なって発見されており、これらの遺構の変遷が多賀城の歴史的変遷を物語っています。
現在、多賀城の正門である南門の復元工事が進められています。両脇につく築地塀も併せて復元されています。政庁から南門に至る地区の総合的な整備が計画されていて、多賀城の威容を実感できる歴史的景観の創出を目指しています。
多賀城跡の遺構
南門
外郭南辺のほぼ中央に位置していて、正面入口に位置している建物です。南門から政庁までは直線でつながっていました。現在、復元工事が行われています。
多賀城碑
神亀元年(724)の多賀城創建や京からの距離、多賀城の創建年代など、貴重な情報を記しています。2024年に国宝に指定されました。群馬県高崎市の多胡碑、栃木県大田原市の那須国造碑と共に「日本三古碑」の一つとされています。
舘前遺跡
多賀城に赴任した国司の邸宅跡と考えられる遺跡です。6棟の掘立柱建物跡が発見されており、四面に廂をもつ建物を中心に整然と配置されています。
政庁跡
南門から北に約350mの位置に政庁跡があります。政庁は多賀城の中枢部であり、南門はその正面入口としての役割を果たしていました。
城前地区の役所建物
政庁南大路の東側の丘の上には、行政や軍事の重要な実務を担当した役所があったとされています。これらの建物は規則的に配置されていました。
特別展「多賀城1300年」
多賀城跡の近くにある東北歴史博物館では特別展「多賀城1300年」が12月15日(日)まで開催されています。
国宝20点、重要文化財約300点を含む、約700点の貴重な資料が一堂に会していて、多賀城の役割と発展を、古代の都や東北の動向、関わった人々と関連させながら紹介しています。
「TAGAJO YOGOTO」
「TAGAJO YOGOTO」は、多賀城創建1300年を記念して開催される特別なイベント。
日本を代表するデジタルクリエイターによる3Dホログラム技術で多賀城正殿を再現する「HOLO REVIVE」では15分間隔で約7分間の映像を放映。
3Dホログラム開催日は「TAGAJO YOGOTO BAR」も開催。多賀城創建1300年記念オリジナルクラフトビール「いやしけよごと」をはじめ、ホットドリンクや多賀城市産の古代米を使用した「古代米オランダせんべい」などが販売されます。
宮城県内の人気グルメが集結するフードイベント「TAGAJO GOURMET SITE」や地元出身のヴァイオリニスト郷古廉さんのソロコンサートも開催されます。
【各イベントの開催日時】
- HOLO REVIVE(3Dホログラム)
2024年11月23日、24日、30日、12月1日、7日、8日の17:00〜20:00に開催 - TAGAJO YOGOTO BAR
11月23日、24日、30日、12月1日 16:30〜20:30 @多賀城跡 城前官衙
12月7日、8日 11:00〜21:00 @多賀城跡 あやめ園 駐車場 - TAGAJO GOURMET SITE
12月7日、8日 11:00〜21:00 @多賀城跡 あやめ園 駐車場
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