「筥崎宮放生会」は「博多どんたく」、「博多祇園山笠」と並ぶ「博多の三大祭り」の一つ。福岡の町に秋の訪れを告げる伝統行事で屋台もたくさんで楽しめます。そこで、2024年の「筥崎宮放生会」の見どころと楽しみ方を紹介します。
筥崎宮とは
筥崎宮は、大分県宇佐市の宇佐八幡宮、京都の石清水八幡宮と共に日本三大八幡宮の一つ。応神天皇、神功皇后、玉依姫命を祀っています。平安時代初期の延喜21年(921年)、醍醐天皇が神託により大陸・玄海灘に面した地に、国家鎮護のため壮麗な社殿を建立。延長元年(923年)に現社地に遷座しています。延喜式神名帳にも名神大社と記載されていて、筑前国一之宮になっています。
鎌倉時代の元寇の際には、文永の役で元の襲来によって社殿を焼失したものの、暴風雨によって撃退したところから、厄除・勝運の神としても有名です。足利尊氏、大内義隆、小早川隆景、豊臣秀吉など歴史に名だたる武将も参詣しています。
本殿、拝殿、楼門、一の鳥居は国指定重要文化財に指定されています。
「筥崎宮放生会」とは
「筥崎宮放生会」は例年約100万人もの参拝客が訪れる福岡のみならず、九州を代表する秋祭りの一つ。毎年、9月12日から18日にかけて開催されて、7日間のお祭り期間中、さまざまな神事や神賑行事が行われます。
あらゆる生き物の霊を慰め、感謝の気持ちを捧げるとともに、さらなる商売繁盛、家内安全を祈る筥崎宮の1100年以上続く神事を起源としています。
「放生会」の始まりは、日本全国の八幡宮の総本山・宇佐神宮。720年に起きた「隼人の乱」を朝廷軍と共に八幡神が反乱を鎮圧して以降、宇佐に疫病や凶作などが続き、隼人の霊の祟りだと信じられていました。
その霊を慰めるために、仏教の殺生戒に基づいて、生き物(蜷貝)を放って供養する放生会がはじまり、全国各地に広まったと言われています。筥崎宮では919年から行われるようになったと伝えられています。
2024年の神事・神賑わいスケジュール
放生会では「神賑わい」と呼ばれるステージでアコースティックライブや大道芸、和太鼓や神楽、そしてアイドルフェスティバルなどのイベントが実施されて楽しめます。
神事スケジュール
9月12日(木)
10:00 初日祭
9月13日(金)
10:00 二日祭
11:00 久原本家 供養祈願祭
9月14日(土)
10:00 三日祭
12:00 琴の献奏(坂本華玉会)※拝殿
15:00 博多町人文化連盟祈願
9月15日(日)
10:00 放生会大祭(例祭)
15:00 献華祭(お花を供える神事)
9月16日(月・祝)
9:00 五日祭
11:00 献茶祭(お茶を供える神事)
9月17日(火)
10:00 六日祭
11:00 ふくや 供養祈願祭
9月18日(水)
10:00 納祭
14:00 稚児行列・童児育成祈願祭・放生神事
主な神賑わいスケジュール
9月14日(土)
12:00 ハコフェス2024 出演:パピマシェ、#SSSGなど
19:00 神楽奉納[豊前神楽]
9月15日(日)
15:00 神楽奉納[折尾神楽]
19:00 博多独楽[博多独楽保存会]
20:00 和太鼓演奏[博多金獅子太鼓]
9月17日(火)
11:00 和太鼓演奏・書道パフォーマンス・
演武奉納[野和太鼓・現代書道アーティスト 劔朧・太宰府まほろば衆]
9月18日(水)
19:00 バンドライブ[Raspberry Dream]
「筥崎宮放生会」の見どころ
グルメも遊びもバッチリ!バラエティ豊富な「屋台」
「筥崎宮放生会」では参道を中心に約700店もの屋台が出店。食事やスイーツ、ドリンクの屋台もメニューが豊富。おすすめは筥崎宮名物の社日餅。白餅とよもぎ餅の2種類があって、外はモチモチしていて、中は甘さ控えめの粒あんです。
また太宰府名物の梅ヶ枝餅や、博多ラーメン、地鶏の焼き鳥や唐揚げ、皿うどんなど「福岡ならでは」の屋台、豊富なトッピングな人気のじゃがバターなどバラエティ豊富です。
ダーツやアーチェリー、ヨーヨー釣りなどアトラクションの屋台も盛りだくさん。飽きることはありません。
人気のお化け屋敷や見世物小屋
「筥崎宮放生会」で変わらぬ人気を誇るアトラクションが「お化け屋敷」と見せ物小屋」。「見せ物小屋」は珍奇さや禍々しさ、猥雑さを売りにして、日常では見られない品や芸、獣や人間を見せる小屋掛けの興行。「昭和レトロ」たっぷりです。
「お化け屋敷」と「見せ物小屋」を両方楽しむなら夕方以降がおすすめです。
復活が待ち遠しい「チャンポン」
長年、放生会のお土産として親しまれてきたガラス細工の「チャンポン」。ガラスの管に息を吹き込むと、音が「チャン」「ポン」と聞こえるとしてその名がつきました。手作りのガラス細工に筥崎宮の巫女さん達が絵付けをして、販売されていました。
しかしただ一人のガラス職人の方が他界。後継者がなく、残念ながら2020年以降、販売が中止されています。販売再開が待ち遠しいところです。ガラス細工のチャンポンは、放生会期間中、本殿を囲む廻廊にて展示されます。
開運の縁起物「筥崎宮おはじき」
「放生会おはじき」は色とりどりのデザインで、「悪災をはじく」という意味が込められた伝統工芸の博多人形の製法を活かした素焼きの縁起物。額装や桐箱入りのかたちで放生会で授与され、古くから博多で大切に受け継がれています。
数量限定のため、希少価値もあって年々人気が加熱したことで、様々な問題が発生、2017年に「放生会おはじき」は販売が中止されました。そして新たに「筥崎宮おはじき」が販売され、「放生会」の期間中はもちろん、通年で買うことができます。