日本全国いい旅navi

西日本を中心に魅力を発信していきます。

【世界遺産登録20周年】吉野山 「吉野山千本桜」見どころ解説

2024年は世界遺産登録20周年を迎える吉野山。日本屈指の桜の名所で、桜の季節には全国各地から花見に訪れて、とっても賑わいます。記念すべき年の吉野山の桜の見どころを紹介します。

吉野山と桜

吉野山ではシロヤマザクラを中心に約3万本といわれる桜が鮮やかに咲き誇ります。

吉野山の桜の起源は約1300年前に遡ります。修験道の開祖、役行者山上ヶ岳に深く分け入って修行を重ねた結果、蔵王権現を感得して、桜の木に自ら刻んだと伝えられています。このことから桜の木は「ご神木」とされるようになりました。

以来、蔵王権現を参拝する際に、桜の木を「献木」するという形で桜の木が植え続けられ、現在に至っています。吉野山の桜は山岳信仰と密接に結びついた「信仰の桜」として大切に保護されてきた「文化的景観」なのです。

【エリア別】吉野山 桜の見どころ紹介

吉野山は麓側から下千本、中千本、上千本、奥千本の4つのエリアに分かれています。標高差もある為、下千本から桜は咲き始め、中、上、奥千本の順に開花していきます。約1か月にわたって、桜の花を楽しめます。それぞれのエリアの桜の見どころを紹介します。

下千本

吉野山の入り口にあたる下千本。観光駐車場の近くにある下千本展望所やお野立ち跡から見る桜がおすすめの観賞スポットです。世界遺産金峯山寺蔵王堂の前にある四本の桜は四本桜(よもとのさくら)と呼ばれています。また吉野山駅から金峯山寺へ向かう道の途中にある寺の総門・黒門付近の坂は関屋坂と呼ばれ、この付近に咲く桜を関屋の桜と呼びます。吉野朝宮跡に咲く御所桜も見どころです。

吉野山_下千本

中千本

中千本の一番の桜の見どころは世界遺産・吉水神社から眺める一目千本。中千本と上千本に咲き誇る桜の雄大なパノラマを見渡せるスポットです。裏山に後醍醐天皇陵がある如意輪寺付近に咲き誇る塔尾(とうのお)の桜大海人皇子が奏でる琴の音色によって天女が舞い下りたという言い伝えがあり、静御前が舞を舞ったとされる勝手神社の御所桜も見どころです。

吉野山 桜

上千本

天王橋から猿引坂にかけての左右にある桜並木はまるで布を敷きつめたように桜の花が咲き誇ることから布引桜と呼ばれています。

吉水神社付近や参陵トンネルを抜けたところから見上げる桜は、満開の桜花がまるで滝の一時にたぎり落ちるようにみえることから滝桜と呼ばれています。特に吉野山を一望できる花矢倉展望台がおすすめの観賞スポット。

竹林院群芳園の池の畔にあり、天女が舞い降りるように見えることからその名がついた天人桜桜本坊にある夢見の桜は、寺の創建が壬申の乱の際に、のちの天武天皇となる大海人皇子天皇即位を予見させる桜の夢を見て、戦に勝利した後、夢に現れた桜の木の傍に寺を建てたという伝説に由来しています。

金峯山寺 秘仏ご本尊特別御開帳

金峰山寺蔵王堂に安置されている本尊「金剛蔵王大権現三体」。三尊は、釈迦如来千手観世音菩薩弥勒菩薩を本来のお姿とする仮のお姿で、悪魔をはらう怒りの形相を現わされていますが、慈悲と寛容に満ちあふれたお姿と言われます。三尊は、それぞれ過去、現在、未来の三世に渡って私たちを守ってくださる守護仏。

秘仏なので普段は見ることができないのですが、2024年春も特別開帳が行われて、拝むことができます。

期間:2024年3月23日(土)~5月6日(月)
時間:8:30~16:00
拝観料金:大人1,600円・中高生1,200円・小学生800円

桜の時期の吉野山は交通規制があったり、駐車場を探すのも大変だったりします。また吉野に乗り入れている近鉄電車は週末を中心に帰りの時間帯は首都圏の通勤ラッシュ並みの混雑、全席指定の特急列車は全て満席ということも珍しくありません。

吉野山の桜の時期にはツアーもたくさん組まれているので、ツアーに参加するのもおすすめです。