遥かなる時代や文化をめぐる冒険へ――「世界探検の旅 ―美と驚異の遺産―」展が開催。開館130年の奈良国立博物館と天理大学が贈る、世界の至宝に出会う特別な時間が始まります。
世界探検の旅へようこそ!特別展の概要
開館130年の奈良国立博物館と天理大学の連携企画
日本を代表する文化財の殿堂、奈良国立博物館の開館130年を記念し、天理大学と共同で開催される本展は、両者の持つ知見と収蔵品を結集した特別企画です。両館の学術的連携により、展示資料の背景や価値をより深く体験できる内容となっています。
展覧会の基本情報(会期・会場・開館時間・休館日)
- 会期:2025年7月26日(土)~9月23日(火・祝)
- 会場:奈良国立博物館 東新館
- 開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は閉館30分前まで)
- 休館日:7月28日(月)、8月4日(月)、8月18日(月)、8月25日(月)、9月1日(月)、
9月8日(月)、9月16日(火) - 観覧料:一般1,800円、高大生1,300円
天理参考館の30万点から厳選された珠玉の資料
天理参考館が誇る約30万点のコレクションから、今回の展覧会のために厳選された貴重な資料が集結。古代エジプトの工芸品やユーラシアの遊牧民文化、南米アンデス文明の遺産など、「美」と「驚異」にあふれる世界の文化遺産が一堂に展示され、それぞれの物語を伝えます。
展示構成|3章でめぐる、驚異と美の文化遺産
第1章|文明の交差する世界 ― ユーラシアの交流と変容
シルクロードを舞台に、多様な文化が交錯し融合したユーラシアの歴史に迫ります。古代オリエントの交易品、草原の遊牧民が使用した装飾品、そして西方と東方をつないだ工芸品の移動など、相互作用の痕跡が残る貴重な資料を通し、交流と変容のダイナミズムを体感できます。
第2章|神々と摩訶不思議な世界 ― 精霊・儀礼・神話の造形
アフリカやオセアニア、南米アンデスに伝わる、神々や精霊にまつわる造形文化に焦点を当てます。神話世界を具現化した仮面や祭祀道具、儀礼の際に用いられた衣裳など、人の祈りと想像力が生んだ不思議な造形美が展示され、異文化理解の新たな扉が開かれます。
第3章|追憶の20世紀 ― 民族文化の美と変貌
近代化が進む20世紀の中で、世界各地の民族文化がどのように保存・変容されたのかを探ります。各地の伝統衣装や生活道具、フィールドワークで撮影された写真資料を通じて、消えゆく文化や現在も息づく民族の営み、その背後にある美意識を紹介しています。
展示資料ピックアップ:仮面・装身具・調査写真など
本展では、祭礼用の仮面、ユーラシアの遊牧民が身につけた装身具、さらに現地調査によって収集・記録された貴重な写真資料なども登場します。これら一点一点が、世界を彩った多様な文化と暮らしの奥深さを物語っています。
天理参考館とは何か ── 知と文化を集積する学術拠点
1930年開館、日本屈指の民俗・考古資料を所蔵
天理参考館は1930年に開館した、日本有数の民俗学・考古学系博物館です。設立のきっかけは、天理教二代真柱・中山正善による資料収集の発意であり、その前身は天理外国語学校内に設けられた「海外事情参考品室」にさかのぼります。
30万点超の収蔵品:世界各地の生活文化を網羅
同館のコレクションは約32万点におよび、アジア、アフリカ、オセアニア、南北アメリカなど、世界各地の生活文化や考古美術資料を幅広く所蔵しています。例えば、日本のアイヌ文化、エジプトやインカ、ボルネオなど、地球規模で多様な文化の物質的遺産を集積しています。
フィールドワークと探検的収集活動の系譜
天理参考館の特徴として、現地調査や探検活動を通じて収蔵品を充実させてきた点が挙げられます。教員や研究者が世界各地でフィールドワークを重ね、生活資料や調査記録の写真などを積極的に収集してきました。そのため、単なるモノの展示にとどまらず、資料の背後にある暮らしや歴史、フィールドでの発見・記録という生きた文化情報が体系的に示されています。
天理大学との学術連携と資料活用
天理参考館は天理大学の附属施設であり、天理大学の学術研究や教育活動と深く連携しています。館内の資料は大学の講義やゼミ、研究プロジェクトなどで積極的に活用され、学芸員や研究者による講座・展覧会なども開催。博物館自体が「知の集積拠点」として、広く社会に開かれた地域・国際文化研究の核となっています。
訪問ガイド|文化的余韻を楽しむ一日を
奈良国立博物館へのアクセスと施設情報
奈良国立博物館は奈良市登大路町に位置し、最寄り駅は近鉄奈良駅で徒歩約15分です。JR奈良駅からも奈良交通の市内循環バス「氷室神社・国立博物館」行きでアクセス可能です。開館時間は午前9時30分~午後5時(土曜・8/5~8/15は夜7時まで、入館は閉館30分前まで)、休館日は会期中の特定の月曜等です。観覧料は一般1800円、高大生1300円、中学生以下無料です。
展覧会前後に立ち寄れる文化スポット
奈良国立博物館周辺には歴史と文化のスポットが多く点在。例えば、奈良公園の春日大社や東大寺は徒歩圏内で、悠久の歴史に触れられます。また、奈良町の古い町並みを散策すれば、伝統的な町家やギャラリー、カフェが楽しめます。観覧後に、これらの場所で奈良の豊かな文化的余韻を感じるのがおすすめです。
歴史書・探検記を揃えたブックカフェ案内
奈良国立博物館の近くには、歴史書や探検記を多く揃えたブックカフェがあります。静かな空間で展覧会の感動を振り返りながら読書でき、関連書籍や展覧会図録も購入可能です。例えば「ならまち文庫」や「奈良蔦屋書店」など、文化的な雰囲気を楽しみながら知識を深められるスポットが人気です。
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